イーマーケットマガジン
2006/9/28 科学シリーズ第2弾「惑星より楽しい衛星図鑑」
冥王星と他の星の大きさ比較
こないだ太陽系の惑星から仲間はずれにされた、
かわいそうな冥王星。
とはいえ、皆さんご承知のとおり冥王星は小さく、
太陽を回る軌道も楕円で、しかも歪んでいます。
左の図は地球の1/3しかない水星から順番に
衛星を並べていますが、月や他の大型衛星よりも小さなことがよくわかります。
この話題で太陽系に興味を持たれた方も多いでしょうが、実は太陽系には惑星以外に数多くの小さな衛星が存在していて、月もそのひとつです。
左の図の衛星は惑星と比べるとちっぽけですが、衛星の中では群を抜いて大きなものばかりで、直径は数千キロメートルのクラスです。
 今回、編集長がお届けする「科学シリーズ第2弾」は太陽系の衛星図鑑、それも味のある岩シリーズです。
フォボス
フォボス
最初はやっぱりこいつでしょ。 火星の衛星「フォボス」。 フォボス(上から)
直径は長いほうでも26km、短いほうはわずか18km。
横っちょがボコっと凹んでいるのがなんともいえません。
右の図は角度を変えてとった映像ですが、こちらもなかなかチャーミング。 クリックするとでっかい画像が見られます。
東京の山手線サイズしかない星は形を丸く球体にするだけの重力を持っていないため、不思議な形状をしているものが多いのです。
火星にはもうひとつ「ダイモス(ディモス)」という衛星がありますが、こちらはさらに小さくて直径わずか15km。 別のアングルから見ると星というよりはまるで要塞です。 ダイモス
どちらも軌道が縮まってきており、約5000万年後には火星に衝突するとされています。
おそらく、それまでに地球人の科学力で衛星型の基地になると編集長は予想します。
ミマス
ミマス これも編集長が大好きな衛星のひとつ「ミマス」です。
ミマスは土星の衛星で、直径が約400kmあるため、なんとか球体を保っています。
鬼太郎の目玉オヤジのような風貌はなんともいえず愛らしいんですが、おそらく大きな隕石か何かがぶつかってできた巨大クレーター。 ミマス
直径のおよそ1/3にあたる130kmクレーターは、星そのものが壊滅寸前のインパクトを受けたことを示しています。
星とはいえ、比重は水に近く、おそらく氷の星だと言われています。
スターウォーズのデススターそっくりですが、映画公開より撮影が後なのです。
ミランダ
ミランダ 天王星の衛星「ミランダ」。 1986年にボイジャー2号が接近し、その姿を撮影するま
では、その姿も含めてほとんど何もわからなかった衛星でした。 ミランダ
直径は約230km。 星として球体を保つのにはぎりぎりの大きさだったのか、その容姿は極めて奇怪なイメージを受けます。
クリックして大きな画像をご覧頂ければ、そのボコられぶりは涙もの。
天王星に近づけたのはボイジャーだけ、次は当分先のことでしょう。
プロテウス
プロテウス 冥王星が惑星からはずれたことで最も遠い惑星となった海王星の衛星「プロテウス」。
やはり1986年にボイジャー2号が接近するまで、衛星の存在さえ知られていなかったレアもので、直径は約400kmながら、形状は球体を保っていません。
球体でない星として最大級のぎりぎりサイズなのだともいえます。
太陽から遠すぎてほとんど光らないため、地球から観察するのは不可能に近く、現在のところ何もわかっていないというのが実情です。
火星までは数千万kmでも、海王星までは40億km以上も離れているからです。
ヤヌス
ヤヌス 土星の衛星「ヤヌス」。 直径約180Km、1978年に発見され、やはりボイジャー2号が接近、撮影し、正確な軌道などがわかるようになりました。
右は軌道を共有して公転する「エピメテウス」で直径は約120kmで、
わずか50kmしか違わない軌道をすれ違う度に入かえます。
エピメテウス
2つの衛星について、ほとんど何もわかっていませんが、しょこたんならきっとこう言ってくれるはずです。
ヤヌスとエピメテウスどっちもギザキモカワユス( ̄▽ ̄:
エロス
エロス エロス 衛星ではありませんが、その奇妙な形で有名な小惑星「エロス」。
火星と地球の間の軌道を回っているので、地球にかなり接近することもあり、数百m近くの距離にまで探査機を近づけたこともある。
6500万年前恐竜を絶滅させたのは、こいつの仲間かもしれない。
マルチド 今回の「科学シリーズ第2弾」はいかがでしたでしょうか?
左の画像はエロスと同じく小惑星の「マルチド」、直径50kmくらいらしいですが、編集長はこういう岩みたいな星が大好きなんです。
冥王星は惑星からはずされましたが、実のところ冥王星そのものも、唯一知られている衛星カロン(カーロン)もほとんど鮮明な画像が存在しません。
惑星かどうかより、どんな星なのか、どんな姿をしているのか・・
そちらの方が興味津々なのです。
今年(2006年)のはじめ、プルート・カイパー・エクプレス・ミッションがスタートし、冥王星へ向けて探査機が飛び立ちました。 到着予定はなんと10年後の2015年だそうです。
でも編集長はその日が待ち遠しい、人類が初めて冥王星の鮮明な姿を見られるから・・ それまで死ねない!
inserted by FC2 system